ぶどうの丘、当初予算に反対しました
定例会最終日、令和3年度勝沼ぶどうの丘当初予算案に反対討論をいたしました。
予算特別委員会で、車両を購入するとこがわかり目的も問うたが、費用対効果が感じられるものではありませんでした。その後、キッチンカーを購入するというような情報が入り、購入の必要性もその使途も認めることができないと判断いたしました。
売上目標についても、委員会内で多くの意見が出されていましたが明確な経営方針も示されませんでした。
以下、討論の全文です。
1都3県の緊急事態宣言が解除されたとはいえ、どの程度観光需要が回復するか、コロナ禍の先行きが不透明な中での希望的観測に立った予算編成です。
予算特別委員会では、「観光需要の回復を見込み、安全対策の徹底による信頼を獲得し、現在効果を感じているパブリシティの活用によりぶどうの丘の名前をさらに売り出していくこと。施設利用を伴わない売り上げを伸ばしていく」と
説明があったが、10億8017万4千円を見込んでいる売上に対して、来年度の経営方針は一切示されておらず、利益向上に資する方針は不明確です。
本来であれば、来年度実施予定の具体的な経営内容が説明されるべきものですが、具体的で明確な施策を持ち合わせていないことの証左であると、判断せざるを得ません。
また、資本的支出において、車両購入および厨房機器購入費に720万円の支出が予定されています。委員会において、720万円の車両購入の目的は「ぶどうの丘の看板を背負って中央道や中部横断道を走行し施設の宣伝をして誘客につなげる」と説明がありました。しかし、私が得た情報では、500万円の予算でキッチンカーを購入し、これまでも参加していた県外のイベントで活用していくと耳に入ってきました。
これまで参加していたイベントであれば、これまで通りテントやコンロ等の設備を持参し販売が可能ではないか。新規事業であるならばいざ知らず、支度や片付けの利便性の追求だけのために500万円もの費用をかける必要性はありません。これまで通りのやり方で利益を出すことを最優先すべきです。そして何より、委員会での説明と聞き及んだ情報とで、乖離があることに、予算書に対して不信感を抱かせるものです。
また、新型コロナウイルス感染症蔓延の影響もあり、予算書では令和2年度末の内部留保金が1億5818万円ほどになっています。平成29年に策定した甲州市勝沼ぶどうの丘事業経営戦略の予測では、令和2年度末の内部留保金は2億3527万3000円。コロナ禍の影響があったとはいえ、予測よりも7700万円も少なくなっています。これまでの利益である内部留保金は、資本的支出の財源に充当されてきた経緯があります。今後、施設の老朽化、設備更新の投資としての費用が必要になったときのために、減ってしまった内部留保金を積み上げなければなりません。本定例会の一般質問に対する答弁で、資金不足が生じたときには一般会計からの繰出しはできないというような趣旨のものもありました。
先行きは不透明で、車両購入は今やるべきことではない不要不急の支出であり、今後の経済動向や大規模修繕を見据え内部留保金を増やすべきです。コロナ禍からの回復にと売上を伸ばすことだけではなく、内部留保金も含め経費も見直し経営の立て直しを図るべきです。
以上のことから本予算を認めることはできず、反対です。