平成30年12月定例会【一般質問:指定管理者制度について】

平成15年9月に地方自治法の改正が行われ、従来の管理委託制度から指定管理者制度へ移行し、甲州市でも平成17年よりその導入が始まりました。

この制度の趣旨というのは、以下の3点です。

①多様化する住民ニーズにより効果的、効率的に対応するため、
②公の施設の管理に民間ノウハウを活用すること、
③住民サービスの向上を図ること、

現在、本市では16施設で指定管理者制度を導入しています。

その目的と効果は同様です。

そこで、指定管理者制度が指定管理者と結ぶ基本協定書に則り、適切に管理運営がなされているかという点について、質問をさせていただきました。

【疑問点】

1)制度の検証について

この制度の導入から13年が経ち、現在すべての16施設における指定管理料は、平成28年度は約1億5千万円、平成29年度は約1億4千万円。これだけの予算を負担しています。

現在の検証方法はというと、市役所職員によるモニタリング(指定管理施設検証結果報告)と、行政改革での評価のみです。今後も、指定管理者制度の導入が検討されている施設もあることから、指定管理者制度に特化した検証をすることを提案させていただきました。

2)指定管理者の選定方法について

今回の定例会には、16施設中5施設の指定管理の更新が提案されています。対象となる施設は

・勝沼健康福祉センター、
・大和福祉センター・大和デイサービスセンター、
・甲斐の国大和自然学校施設、
・日川渓谷緑の村、
・やまと天目山温泉資源活用施設

公募と非公募の施設があります。非公募の施設は福祉施設であり公共性や専門性も求められますが、残りの公募した3施設においては、応募が1業者のみでした。指定管理者制度の運用を考えたときに、特に何が重要であるのかというと、それはやはり公明正大で透明性を持って行われているかということです。事業者等の選定については、条例の定めるところにより、議会の議決を経た上で管理者を指定する行政処分です。したがって、選定に当たっては競争入札のような形をとる必要はありませんが、施設の適正かつ効率的な管理を可能とするということから、入札等に準じた形での複数の事業所から事業計画書などを提出させて検討することが好ましいという指導がなされています。

その点を踏まえ、正しく選定が行われているのかを問いました。

3)市の管理体制について

甲州市が指定管理者制度を導入している16施設はすべて、地方自治法第199条第2項および第7項の規定に定められる監査が実施されています。平成29年度の行政監査の報告書によると、2施設は良好や適切に行われている旨が記載されているが、残りの14施設については、事業報告書や会計面、備品管理についての指摘が列挙されています。それに対する市から指定管理者への指導、その後の確認作業をしているのか、施設への訪問等を含め、どのように現地調査を行っているのかについて問いました。

今回の5施設は指摘事項について対応し改善が見られたということでした。また、現地調査については定例会や施設修繕のヒアリングの際に、行っているとのことで、今後は管理徹底を十分にしていただくことを提言しました。

4)保険の加入義務について

提供するサービス、実施する事業は、それぞれ異なるにもかかわらず、加入義務を課している保険は施設賠償責任保険だけでした。市には、指定管理者制度のガイドラインがあり、それには保険項目についても細かに記載があります。ガイドラインに従い、基本協定書の見直しや管理運営がなされると思いますので、引き続きチェックをしていきます。

5)リスク管理について

協定書には、賠償責任補償で、市の責めにきすべき事由により、指定管理者または第三者に損害を与えた場合は市が損害を賠償しなければならないと記載されています。リスク分担は分担表にて分けてありますが、
最終的に市が責めを負う場合があります。

指定管理施設も所有者は市であり、市有物件です。

市の財産は、市のものであり、市民のものです。

現在の指定管理において、市の管理体制があまりに甘かったと思います。

市有物件災害共済に入っている物件について調べると、指定管理施設の建物はカバーされていますが、付属設備などはまちまちです。

万が一の災害はないとは言い切れません。
何かあったときに、
市民が収める税金ですべてを修繕するのか。
万が一に備えて保険をかけておくのか。
保険料も積み重ねれば金額が大きくなります。

市の、市民の、大切な資産のリスク管理を徹底し、
指定管理者と協議のうえ、漏れのないようにと提案させていただきました。

 

最後に、指定管理者制度について考えること。

県内他市においては、数多くの施設を指定管理施設としているところもあります。指定管理者にも、企業ばかりではなく、各地区の区や組などを指定しているところもあります。

今後の指定管理者制度のあり方を含め、これからの検討課題は多いです。