R7年3月定例会での一般質問と委員会質疑を終えて
今回は、令和7年度一般会計当初予算案について、甲州市の財政状況を考えながら、具体的に2事業を取り上げて質問をしました。
予算編成のために、補助制度を苦労して探し、予算化された事業もあります。また、既存事業の規模を見直し、他の事業へと予算を充当した事業もあるかとも思います。
今の甲州市の財政状況では、あれも、これも、やりたくても自由に予算が組める状況ではありません。
田辺前市長が市政を担っていた頃、市債の償還がピークを迎えたころでもあり、本市の財政状況は大変悪く、予算編成の際には「身の丈にあった」という言葉をよく使っていました。
それは、今の甲州市でも同じです。
その当時と比べれば、幾分か財政状況は改善していますが、財源不足が見込まれるため、上限を設定しての予算編成であったこと、できる限り補助金を活用することなどの指示があったそうです。
では、補助金が取れるから、なんでも取り入れていいのか。
そうではないと思います。
予算額に違いはあっても、補助制度を活用した事業は、全て補助金で実施できるものはありません。その事業費には市が自由に使える予算が含まれています。補助制度等を活用し市の負担は少なく済むとしても、
甲州市の身の丈にあった事業を検討し、「時には」事業をしないということも決断ではないかと、私は考えます。
一番の問題だと思うことは、
補助制度を活用して事業実施したものの、利用度が低かったり、活用度が上がってなかったりというケースもあると思います。
一般家庭においては、割安だからと購入したものの、自宅で使える場所がなかったり、使う人がいなかったりすることがあります。
企業においては、IT補助金で割安に導入ができるからと、ICTツールを導入したものの、実際にそれを使いこなせる人がいなかったり、または、だんだん使わなくなったりしてしまい、ランニングコストの負担が大きくのしかかってしまうという事例は全国各地、さまざまな産業において見かけます。
このように、事業実施のコストだけに着目して、補助制度があるからと、安易な意思決定をしたことが、尾を引くことになることもあります。
高いか安いか、補助金をもらえるかもらえないか、そういうことに気を取られるのではなく、 甲州市の総合計画や今後、市の目指す方向性に照らして、必要かどうかを考えていくべきです。
目の前のものが本当に必要なのか、精査をし、宝の持ち腐れにならないように、していかなければいけません。